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梅雨の季節もさわやかに暮らす

高温多湿の日本の夏、その中でも雨が長く降り続く梅雨の時期。
次に来る盛夏期に必要な農業用の水などを蓄える重要な時期だと分かって
いても、昼間も曇りがちで太陽が出る時間が少なく、洗濯物はなかなか
乾かず、なんだか気が滅入ってしまいますよね。

今回のコラムでは、そんな梅雨の季節もさわやかに暮らすために知って
おきたいこと、梅雨の季節も楽しめる「雨楽な家」について書いていきます。

 

雨の日の北名古屋モデルハウス 玄関

1.なぜ、梅雨時は湿気が気になるのか?

 

なぜ梅雨時になるとこれほどまでに湿気が高く、不快と感じるのでしょうか。
それには温度と湿度のバランスが関わっています。

湿度には「相対湿度」と「絶対湿度」がありますが、天気予報などで一般的に使われているのは「相対湿度」です。「相対湿度」とは、空気中に含むことのできる水蒸気量の上限(飽和水蒸気量)に対して、実際にどのくらいの水蒸気が含まれているかを割合で示したものです。空気はその時の温度によって、空気の中に含むことのできる水分の量が変わります。低い温度であれば含むことが可能な水分量が少なく、温度が高くなるにしたがってたくさんの水分を含むことができるようになります。そのため、気温15℃の時の「湿度50%」と、気温30℃の時の「湿度50%」では、同じ50%でも30℃のほうが空気中にたくさんの水分を含んでいるのです。
その結果、気温が高くなる6月や7月は空気に含まれる水分量が多くなるため、蒸し暑く不快に感じられるのです。

相対湿度のイメージ

無垢の木、漆喰の塗り壁、和紙などの自然素材は、室内の湿気を吸収し、乾燥すると湿気を放出する
「調湿性の高さ」も魅力のひとつ。湿度の高い梅雨の時期には、その天然の心地よさがより実感できます。

 

雨楽な家 笑家族 建築実例

 

2.カビはどのような条件のもとで生えてくるのか?

 

梅雨時で湿気が高い日が続くと心配になるのがカビです。
カビは、空気中に浮遊しているカビの胞子が室内の表面に付着し、温度が5℃~35℃前後であれば付着した表面の
栄養と水分を利用して育ちます。気温が高く、空気中に水分が多い梅雨時はカビの繁殖条件が揃ってしまうのです。
カビはダニのエサにもなってしまうので、カビの発生を防止するのが健康的な暮らしには重要です。

カビは水やホコリがたまりやすいところ、手が届かない場所に生えやすくなります。
カビの多くは湿度が80%以上から生え始めるため、コントロールしやすい湿度を低く保つ、水分をこまめに拭き取る、
通気性をよくすることで、カビの発生を減らすことができます。栄養源になるホコリなどを取り除くためにも、
マメなお掃除が出来れば理想的ですね。

 

3.住まいの換気にこだわる

 

梅雨時は降り込む雨を気にして、窓を閉め切ったままでいることも多いのでは
ないでしょうか。いくら調湿性の高い自然素材で建てた家であっても、その良さ
をしっかり発揮させるためには、こまめに換気をして新鮮な空気に入れ替える
ことが大切です。

 

住まいの換気のイメージ

●暮らしを快適にする換気のススメ

こまめに換気をすることで下記のような効果が得られます。

除湿のイメージ

湿気を排除してカビやダニの繁殖を防ぎます。

防臭のイメージ
こもったイヤな臭いを追い出してさわやかに。

清潔のイメージ
チリ・ホコリ・雑菌を追い出して清潔に。

室温調整のイメージ
冷暖房による暖まりすぎ・冷えすぎを防止。

 

●24時間換気

2003年7月以降は建築基準法により、シックハウス症候群の緩和を目的とした24時間換気が義務づけられています。
新築住宅の居室などには、換気回数0.5回/h以上の24時間換気設備が必要で、入口(給気口)と出口(排気口)に配置します。

 

換気回数とは…部屋全体の空気が1時間あたりに入れ替る回数のことです。
0.5回/hとは…1時間に室内の半分の空気が入れ替わることです。

24時間換気のイメージ

 

●換気システムの4つの種類と特徴

建築基準法により義務づけられた24時間換気ですが、どの換気システムを取り付けるかまでは指定されていません。
大きく4つに分類される換気システムの特徴を知り、必要なものを選び取りましょう。

 

第一種換気:強制給排気型

給気・排気ともに機械で制御する換気システムで、安定的に空気の循環が行えます。
熱交換器という専用の機器を使うことで、部屋の温度を保ちやすくすることも可能です。
機械的に換気をするため、電気代や機械のメンテナンス等のランニングコストが最も高くなります。

 

第二種換気:強制給気型

給気のみを機械で行い、室内の気圧を高めて自然排気させる換気システムです。
ホコリや汚れを取り込みにくいので、工場のクリーンルームや手術室等で利用されています。
室内の空気が外に出にくく結露が発生しやすいので、住宅にはあまり使用されません。

 

第三種換気:強制排気型

排気だけを機械で行い、自然給気によって空気を循環させる換気システムです。
室内の空気が溜まりにくいため、結露の発生を防ぎやすくなっています。消費電力が少なくコストが抑え
られますが、すべての部屋に給気口をつける必要があるので、室温が外気に左右されやすい側面もあります。

 

第四種換気:自然給排気型

給排気を空気の温度差で生じた圧力のみで行う、機械を使用しない換気システムです。
電気代もかからず機械のメンテナンスも必要ありませんが、現在の建築基準法で提出を義務付けらた
換気量の計算が自然の給排気で行うのが難しく、新しい住宅ではほとんど採用されていません。

 

以上のことから建築基準法の中では、住宅を建てる際に一般的に選ばれているのは第一種換気と第三種換気になります。
そこからも「ダクト式」「ダクトレス」や使用するファンの種類など、様々な選択肢があります。家づくりの際には、
どのような換気システムを取り付けるかのオススメや、気になる点をぜひ工務店さんに聞いて確認してみてください。

 

4.深い軒下で梅雨を楽しむ

 

日本建築は本来、外へ大きく開かれています。
屋内と屋外をつなぐ中間に濡れ縁があり、見上げると屋根の軒が外に向かって
のびています。軒が深いと室内に雨が吹き込まないので、蒸し暑い梅雨どきも
掃き出し窓を開けて気持ちよく過ごせます。深い軒と縁側の魅力を現代に活か
した「雨楽な家」。軒裏を見上げると、太い軒桁が架けられ、それに直行する
垂木が力強く軒を支え、杉板が素朴な味わいを見せています。晴れた日には、
軒下のウッドデッキで座布団などの生活グッズを一斉に干すことができます。
軒が深いので、急に雨が降っても濡れることなく安心です。深い軒の長所は
まだあります。太陽の高い夏は日陰を作り、低い冬は陽ざしを室内に入れます。
半屋外の作業スペースとしても重宝され、軒下の干し柿は秋の風物詩。野菜を
干す、魚を一夜干しにするなど、軒下は暮らしと深く関わっています。

雨楽な家の縁側

深い軒下の空間は、外でも内でもない緩衝地帯として貴重なスペース。
軒下の濡れ縁やウッドデッキは、子どもの遊び場としても、大人のくつろぎゾーンとしてもおすすめです。
梅雨時期の午後、お茶を飲みながら庭のアジサイの彩りを楽しむのも格別です。

 

あじさい

 


 

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