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木造力を活かす。木造軸組・真壁の家

雨楽な家 迫力の木構造を見上げる吹き抜け 建築地 愛知県

 

真壁の柱と梁の構造美、力学的バランスの見事な調和。

 

日本人の研ぎ澄まされた感性の中で育まれた「木造軸組」の家。
棟上げの時、構造体が立ち上がってゆく美しさ。整然と柱が立ち並び、理にかなった梁がかけられる。
それぞれの構造材が自らの全存在をかけて力を受け持っているその姿はとても力強いものです。
無駄のない力学的バランスの見事な調和は、構造美だけでなく見る者に安心感をも与えてくれます。

「真壁づくり」の柱と漆喰壁の美しさは、日本人の心を癒すものであり、茶の湯、生け花、能などに
通じる引き算の美学がそこにあります。全てをみせる「真壁づくり」は職人の技や心がそのまま表れます。
受け継がれる匠の技がその美しさを造り上げているのです。

 

今回のコラムでは「雨楽な家」のこだわりのひとつである「木造軸組」「真壁づくり」について
特長や歴史、室内のデザインについても書いていきます。

 

1.高温多湿の日本の気候風土に
最も適した伝統の工法

 

「木造軸組工法」「真壁づくり」について簡単に説明します。
「木造軸組工法」とは、主に柱や梁といった軸組で
支えられる木構造の工法のひとつです。日本の伝統
工法を発展させたもので「在来工法」ともいわれます。
面で支える2×4工法などに比べ、壁の位置や窓の
大きさなどに制限が少なく、間取りなどを自由に
アレンジできます。後々に増改築をする際にも
間取りの変更がしやすく、ライフステージの変化
に柔軟に対応できます。

 

「真壁づくり」つまり「真壁構造」とは、構造材の柱や
梁がそのまま化粧材として壁の表面に表れている壁の
つくりをいいます。木の表面が空気に触れるため、
呼吸を妨げられず調湿力を発揮できます。木の良さを
活かす木造軸組工法本来の使い方です。

高温多湿の日本の気候風土には「木造軸組工法」
「真壁づくり」が最も適した工法だと考えます。

 

雨楽な家 木の構造美や漆喰壁との組み合わせを楽しむ真壁づくりの家の実例

 

2.真壁構造と大壁構造の違いは?

 

木造軸組工法には、柱や梁を表から見えるように仕上げたつくりの「真壁構造」と、
柱や梁を壁の中に隠したつくりの「大壁構造」の2種類があります。

真壁構造の図

・真壁構造

柱や梁などの構造体が表れているので、木が呼吸を妨げられず、無垢の木が持つ調湿力を発揮でき、耐久性を保つことができます。真壁のデメリットを挙げると柱を「化粧材」にする必要があることです。化粧材とは、仕上がったときに人の目に触れる部分のことで、通常は腕利きの大工さんが、かんなで削って仕上げます。木造住宅における真壁づくりは、構造材が化粧材を兼ねるため材料の選択に留意する必要があります。そして、施工の手間が大壁に比べると多少かかります。


大壁構造の図

・大壁構造

洋風なデザインの住宅によく見られる、明治時代に西洋から伝わった構造です。構造体(柱)を壁面で覆うため、木の呼吸が妨げられ空間がわずかに狭くなります。一方で柱を構造材としてのみ用いるため、合理的に材料を使うことができます。さらに、壁の中に筋交いを設けるなど、耐震構造のための施工がしやすいという特長があります。大壁は真壁に比べて工期が少し短くなるというメリットもあります。


 

3.乾燥するほどに強くなる木を活かす

 

現存する世界最古の木造建築「法隆寺」をはじめ、何世代もの間受け継がれていく神社・仏閣。
その建築には「桧」が多く用いられています。桧は伐採してから200年間で一層強くなり、
1000年かけてゆっくりと伐採した当時と同じ強度に戻っていくと言われています。

木材は呼吸し、乾燥するほど強くなっていきます。細胞内の水分が蒸発・結晶化することで
耐久性が高まるのです。その木を職人の目で正しく選び、職人の技で組み上げ、強さを活かして
いるのが「木造軸組工法」「真壁づくり」です。

何百年と続く美しさ、力強さが、伝統工法の素晴らしさを証明しています。

 

世界最古の木造建築 法隆寺_雨楽な家BLOG

 

 

4.「和風」だけにとどまらない自由なデザイン

 

日本の伝統工法である「木造軸組工法」「真壁づくり」は、畳敷きに障子の和室はもちろん、
様々な部屋の雰囲気やライフスタイルにマッチします。和室・和風だけにとどまらない
自由なインテリア、デザインを楽しむことができます。

 

■ リビング

リビングと土間をつなぐ建具と一部の壁面にポリカーボネート板を用いることで、土間と
リビングの両方に光を取り込み、スッキリと明るい印象の空間を醸し出すことができます。

 

雨楽な家・Ga 土間 リビングの写真 建築地 千葉

 


 

■ 2階 子ども室

真壁づくりの壁がそのまま窓になったような、開放的な2階の子ども室。
窓を大胆に取れるのも木造軸組工法の特長です。

 

雨楽な家 風景のいい2階子ども室 建築地 広島

 


 

■ ダイニング

無垢の木と漆喰のナチュラルな空間に、石や磁器、ステンレスなどの
異素材を組み込むと、温かみのあるモダンな雰囲気をつくることができます。

 

雨楽な家・町家 土間リビング オープンハウスを広島市で公開中

 


 

大壁づくりは技術や工期、コスト面、スッキリとした洋風の室内空間をつくれるといった点で
現在の住宅の主流になっています。もし、わが家を大壁と真壁のどちらにするか迷われていたら、
日本の家づくりの伝統であり、職人技で仕上げる真壁づくりを選んでみるのはいかがでしょうか。
無垢の木の素材感や構造美、木の見せる変化を楽しみながら暮らしてみませんか?

 

■雨楽な家の家づくり

 


 

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