雨楽な家 URAC MODERN雨楽な家 URAC MODERN

雨楽な家BLOGBLOG

2023.04.12

あの野球選手が愛用するバットは何の木?

WBC

甲子園の選抜高校野球も終わり、待ちに待ったプロ野球ペナントレースが始まり、メジャーリーグも開幕しました。WBCワールド・ベースボール・クラシックで「侍ジャパン」が14年ぶりの世界一を奪還したあとだけに、野球の人気は盛り上がる一方です。

ところで、あの野球選手が愛用するバットは何の木でできているのでしょうか。今回のテーマは木製バットの材料。バットの良材といわれ過去に人気があったのは「アオダモ」です。

 

アオダモはモクセイ科トネリコ属の落葉広葉樹。写真はアオダモの木。アオダモは全国に見られますが、バットの材料は北海道産がベストです。弾力がありながら軽くて強靭な北海道産のアオダモのバットは日本が世界に誇れるものの一つです。

史上初の3度の三冠王に輝いた元中日ドラゴンズの主砲、落合博満さんや、日米通算4367安打を達成したイチローさんなどの一流選手にも、アオダモのバットは愛用されました。

WBC

 

しかし、長年の伐採で2000年代に入ると、北海道で資源が枯渇する懸念が出てきました。
アオダモは成長が遅く、バット材になるには70年以上もかかるため、使用量に追いつかなくなったのです。
代わりにバット材として注目されたのが、カエデの仲間「メープル」です。

 

WBC

メープルはカエデ科の落葉広葉樹。写真はメープルの森。カナダ・アメリカ北東部が産地で、カナダの国旗にデザインされている木です。

2001年にバリー・ボンズ選手(当時サンフランシスコ・ジャイアンツ)が使用し、シーズン73本塁打のメジャー新記録を樹立して以来、メープルはバットの素材として引っ張りだことなりました。

WBC準決勝で劇的サヨナラ打を決め、決勝で待望の本塁打を放った村上宗隆選手も、メープルのバットで昨年は56本の本塁打をマークし三冠王に輝きました。WBCで本塁打2本の活躍を見せた岡本和真選手もメープルのバットを愛用しています。

 

一方、メジャーリーグでは「イエローバーチ」という木のバットを使う選手が最近増えています。日本では「カバノキ」のこと。写真はカバノキの森です。

WBCでマンガのような異次元の二刀流を魅せ、侍ジャパンを優勝に導いた大谷翔平選手は2021年から、それまでのアオダモをやめて、イエローバーチのバットに切り替えました。

イエローバーチはカバノキ科シラカンバ属の落葉広葉樹。緻密な木肌の木材で、木目や材質がサクラに似ているとか。堅くて粘りや強度が強いのが特長です。大谷翔平選手は長さ85センチ、重さ905グラムのバットで、アメリカンドリームをつかみました。

WBC

 

WBC

WBCで大会新記録の13打点をマークし、今年からボストン・レッドソックスで活躍する吉田正尚選手も、イエローバーチのバットです。アオダモほどではないものの、いま日米で主流のメープルに比べると、しなりと柔らかさに優れているとか。そのため、打った瞬間に球とバットが接触する時間はメープルより長くなり、打球をコントロールしやすいらしい。

 

いよいよ開幕したメジャーリーグのレギュラーシーズン。
WBCで侍ジャパンが世界一を勝ち取ったあとだけに、
日本人選手がどれほどの活躍を見せてくれるか、期待は高まるばかり。

サッカーも楽しいですが、夢を求めて白球を追いかける
野球好きの少年少女がもっと増えるとうれしいですね。

記事一覧に戻る