雨楽な家 URAC MODERN雨楽な家 URAC MODERN

雨楽な家BLOGBLOG

2023.04.19

表現豊かな雨の名前

日本語には雨の名前や表現が数多くあります。大雨や小雨、霧雨といった雨の降り方や雨量を
表すものから、春時雨(はるしぐれ)や秋雨(あきさめ)といった季節と合わせて表されるものなど
様々で、その数は400語以上にのぼるともいわれています。

 

桜に雨が降る様子

 

 

温帯湿潤の気候である日本では、1年を通して多くの雨が降ります。年間平均降水量で見ても
世界平均が880mmに対して、日本の年間平均は1718mmと約2倍に相当します。そんな多くの
雨の恵みによって豊かな森林や多様な作物が育まれています。一方で、水害など悩みの種にも
なってきました。そうした日々の中で、雨に対して細やかな違いを感じ取り、それを伝えるために
多くの表現や名前が生み出されていったのでしょう。

 

表現豊かな雨の名前は、違った形でも生活の一部になっています。

 

分かりやすいもので「春雨(はるさめ)」があります。本来は2月から3月の晩春の時期に雨足が細かくしとしと降る雨をいいますが、今ではすっかり食品名のイメージです。これも日本で初めてはるさめを製造した食品会社が、製造過程で原料が細かい穴から押し出され麺状になる様子が「春雨のようだ」と名付けられたのが始まりなのだそうです。

 

他にも、「五月雨式」というビジネスシーンで使われる言葉がありますが、これも陰暦五月、今で言えば6月頃に降り続く長雨のように、断続的にいつまでもだらだらと続くことの例えです。

はるさめのイメージ

 

雨の名前で少し調べてみると、季節の花や行事などが由来になっているものが多く、昔から
続いてきた日本の風景が見えてくるようです。そんな表現豊かな雨の名前を知っていると、
いつもとはまた違った視点で雨の日を楽しむことができそうです。

 

「雨楽な家」という名前には自然に感謝し、自然の現象を楽しみながら暮らしたいという想い、
そして、千利休の弟子として名高い茶人でもあった織田有楽斎の残した茶室「如庵」に表された
ような日本人の美意識や伝統、文化を次代に伝えたいという想いが込められています。

雨を始めとした自然現象や季節の移り変わりを敏感に感じ取り、美しく表現できる美意識。
こんな素敵な日本の文化を次代にも伝えていきたいですね。

 

桜並木の下に傘

記事一覧に戻る