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日本人の暮らしと竹

5月15日からの5月の末候は「竹笋生(たけのこしょうず)」。
タケノコが顔を出し始める頃と言われています。竹の種類に
よって異なりますが、3月〜6月頃まで収穫できるそうです。
タケノコが柔らかく美味しい時期はあっと言う間です。
土から顔を出して大体30日程で全ての皮が落ちて、竹に
なってしまいます。モウソウチクという種類では1日に
約1mも伸びることがあるのだそうです。竹は増える力も
強いので、雨の後に竹林に行くとタケノコがたくさん顔を
見せます。その繁殖力に手入れが追いつかず、放置竹林が
問題にもなっています。

日本人と竹のつながりは古く、縄文時代の遺跡からササを材料にしたカゴに漆を塗った「籃胎漆器(らんたいしっき)」が
出土しています。書物としては、「古事記」に竹の櫛やタケノコが出てくることから古くから身に付ける道具や食用に
されていたことが分かります。身近なザルやカゴ、ホウキといった日用品や工芸品、住宅でも土壁の下地、外構・内装、
家具など広く使用されてきました。竹を神聖な植物として扱い、地鎮祭では祭壇の四隅に立てられたりもします。

様々な用途に使われる竹

土壁が崩れて下地の竹が見えている様子

現在は竹そのものを使用する機会は減った様に思いますが、竹の豊富な食物繊維を食品に混ぜ込んだり、
繊維を加工したタオルが吸水性、防臭性に優れていると重宝されています。竹炭を焼くときに出る水蒸気
などから採取する竹酢液も農作物の害虫よけや洗剤に使用されています。

 

そして、最新技術として注目されているのが「セルロースナノファイバー(CNF)」。
木材や竹などの植物を原料とする植物繊維をナノサイズまで細かくほぐすことで得られる新素材です。
軽さや強度、耐膨張性など様々な点で優れていて、環境負荷が少ないことが利点です。すでに自動車や
家電、住宅、建材などにも活用され、普及が期待されています。

 

CNFの特徴 環境省サイトより引用

環境省サイトより引用 https://cnf-ncp.net/

 

よく手入れされた竹林は、清々しさを感じる美しい日本の原風景。
3年ほどで大きく育つ竹は、持て余して腐らせてしまうにはもったいない優れた自然素材です。
日本の山林を健やかに保つためにも、資源として上手く活用できれば心強いですね。

 

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