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デッドスペースを活用しよう

巣穴の子どもたちにえさを与えているのは「クマゲラ」の親鳥。頭の上が赤いのがオスだとか。クマゲラはキツツキの仲間で北海道と東北に生息する天然記念物。樹木の中でも枝がなく表面がなめらかな大木を選び、クチバシで縦15㎝、横10㎝ほどの巣穴を掘って巣づくりします。

「巣を掘られた樹木には迷惑な話で、クマゲラは森林を破壊しているのでは?」と思うかもしれませんが、そうではありません。クマゲラは樹木を弱らせる害虫を食べて駆除する役割を果し、害虫を駆除してもらった樹木は自力で巣穴をふさいで再び成長します。クマゲラと樹木は森の中で互いに共生しているのですね。

デッドスペース

太い幹のデッドスペース(?)を選んで巣をつくり、子育てをするクマゲラの知恵とクチバシの掘削力には頭が下がります。
でも、樹木の幹の中をデッドスペースと呼ぶのは、ちょっと無理があったようですね。ごめんなさい。

 

本来のデッドスペースとは何かというと、住宅の中で有効に使えない無駄な空間や利用できていない場所のこと。たとえば階段の下もデッドスペースになりがち。この限られた空間をフル活用したのが「箱階段」です。「階段箪笥」とも呼ばれ、街道筋の町家などによく見られます。

階段下の使いにくい空間を引き出しや戸棚などに活用するのは江戸時代以降のアイデア。収納と階段の機能を兼ね備えた箱階段には先人たちの知恵と工夫が詰まっています。というわけで、今回のテーマは「デッドスペースを活用しよう」。

デッドスペース

 

雨楽な家,デッドスペース

雨楽な家,デッドスペース

デッドスペースをおしゃれに有効活用した事例を紹介しましょう。
左の「雨楽な家」は2階の勾配天井を活用して大きいロフトを設け、収納スペースをたっぷり確保しました。
季節限定の家電や衣料品などの収納に威力を発揮します。
ロフトへ上がる階段もハシゴではなく、箱階段をアレンジしました。
ゆるい間仕切り収納にもなり、収納力抜群、デザイン力アップ、遊び心満載ですね。

 

右の「雨楽な家」は階段の壁面に本棚を設けました。階段ライブラリーです。
可動式の棚なので、本に合わせて高さを調節できます。
階段の踏み板に腰かけて本を探しているうちに、そのまま読書タイムになっても大丈夫。
本の原料も木なので、木の香りに包まれて本を読んでいると、森林浴をしているみたいでいい気持ちです。

 

雨楽な家,デッドスペース

こちらは「雨楽な家」の広々とした2階フリースペース。子どもたちが一緒に自由に遊んだり本を読んだりする場所です。右側にアートな箱階段がありますね。ロフトに上がる階段で、両開きの収納戸棚も設けられ収納力たっぷり。機能性と意匠性を併せ持つ「用の美」を感じますね。

 

デッドスペースの活用事例としてはほかにも、床の段差を利用した引き出し収納、室内の10㎝ほどの壁厚を利用した小物収納ボックス、対面キッチンのカウンター下の収納戸棚、床下の空間を利用した収納など、アイデアは無限です。

 

限られた住宅空間の隅々まで最大限に有効活用して、
小さくても暮らしやすいパワフルな住まいを創造したいものですね。
あなたもデッドスペースを見つけ出して活用しませんか。

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