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木の架け橋をわたる家

山口県岩国市の錦帯橋は1673年に創建された日本を代表する木造橋。四季折々の色彩豊かな景観が楽しめます。2004年に「平成の架け替え」が行われ、桧の装いも一新しました。木造部分の架け替えは、江戸時代から橋大工の代替わりでほぼ行われてきた伝統事業です。

用材は木曽の桧、新潟の松など、大半が国有林の天然木で、樹齢150年前後の大径木が用いられました。橋は長さ210m、幅5m。反り橋の構造は精巧かつ独創的。木組みの技術は歴代の大工から大工へと「口伝」により伝えられ、次世代へと伝承されてゆきます。

錦帯橋

 

木の架け橋

こちらの「雨楽な家」には、リビングの吹き抜けと階段吹き抜けとの間に木の橋が架けられています。2階の真ん中に出現した、森の小道のような不思議な空間。桧の柱と床、漆喰の塗り壁、杉の梁、杉の勾配天井。自然の香りに満ちています。

まるで森の中のような爽快感。木漏れ日、風を受ける樹木、鳥の声が聞こえてきそうなワクワク感。子どもたちにはこんな家で育ってほしい。森の家で育つ子どもの心は、桧や杉のように天に向かってまっすぐ伸びていくことでしょう。

 

こちらの「雨楽な家」は1階リビングに井桁の梁の大きな吹き抜けがあり、2階フリースペースからバルコニーに向かって、木の架け橋が通っています。すのこ床なので光や風が上下に行き来して、素足を気持ちよく刺激します。

ここから見える木の床ですが、1階リビングの外はウッドデッキ、2階架け橋の外はウッドバルコニー。本物の質感がうれしい天然素材ばかり。子どもたちは裸足で木の床を走りまわり、本物の素材感や自然の空気感を皮膚感覚で覚え、生涯忘れないでしょう。

木の架け橋

 

木の架け橋

こちらは「雨楽な家」の2階フリースペース。土間の吹き抜け部分の一部に木の架け橋を渡した家です。左手前の桧の柱から、障子の窓に向かって、桧の橋が架けられているのが見えますね。橋を裸足で歩くと、しっとりと温もりある質感が足裏に伝わります。

 

一見、昔ながらの民家のようですが、木構造の表し方や空間の使い方は斬新。飾りを捨て、無駄をなくしたシンプルな美しさ。木の力強さとやさしさと品の良さ。錦帯橋の木組みと同様に、伝統的な手仕事が随所に息づいています。私たちは日本ならではの建築文化を着実に次世代へ伝承していきたいと願っています。

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