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壁画アートで街を面白く

大阪・関西万博の入場券販売が8月8日で1810万枚となり、黒字化の目安であった1800万枚を超えた上に、一般来場者数も8月20日で1500万人を突破。万博開催地の大阪市此花区には「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」もあり、夏休みは両会場とも大にぎわいでした。

此花(このはな)区というきれいな名前は、5世紀頃に百済から渡来した王仁(わに)という人が詠んだとされる和歌「難波津に咲くやこの花 冬ごもり 今は春べと 咲くやこの花」に由来しているとか。この花とは梅の花で、梅香という下町情緒ただよう街もあり、そのエリアを散策してきました。

此花区梅香の街を歩いてびっくり! 古い民家の外壁がお洒落なギャラリーになっていました。 面白い壁画アートの数々と出会うことができて感激。というわけで、今回のテーマは、「壁画アートで街を面白く」。

壁画アート

 

壁画アート

夕暮れ時に黄色いタクシーが左から走ってきたように見えますが、これも壁画アート。右端の白っぽい壁は隣の建物ですが、タクシーが走る繁華街は、「千鳥温泉」という銭湯の外壁に描かれた壁画だというからびっくりです。雑踏の空気感までリアルに表現されていて、すばらしい!

 

壁画アートは英語で「ミューラル」「ウォールペインティング」「ストリートアート」などと呼ばれます。此花区は住民の約3割が65歳以上の高齢者で、古い民家が多く建ち並ぶ昭和レトロな街並みですが、壁画アートが多いせいか、人の集まる、かっこいい街に変貌しつつあるようです。

 

此花区では、街を活性化する「MURAL TOWN KONOHANA」プロジェクトが2023年から始まり、国内外のアーティストによる20作品超の多様なテーマの作品、さまざまな表現手法の作品が民家の外壁やシャッター、窓などに描かれ、道行く人の眼を楽しませてくれます。

壁画アート

壁画アート

 

左の作品は、4階建てのビルの外壁に、白鷺と鯉と花が力強くいきいきと描かれていました。
白鷺も鯉も今にも外へ飛び出しそうな勢い。モノクロ調で表現されているので、なおさら迫力満点。
4階建てのビルにウォールペインティングするのは至難の業と想像できるので、一層パワーをもらえました。

 

右の作品は、2階建ての建物の外壁に、かわいい虎がコミカルに描かれていました。
子どもから大人まで楽しめる壁画アート。阪神タイガースの快進撃もあって、
ファンにもうれしいストリートアートです。このほかにもすてきな壁画がたくさん
観られますので、多くの方々に観賞していただきたいと思いました。

 

こちらの作品は、2階建ての木造住宅の外壁に、男性の後ろ姿と風に舞う草のような柔らかな絵がやさしいタッチで描かれていました。後ろ姿の男性の両手にスプレー缶が握られているところをみると、アーティスト自身の姿でしょうか。心が穏やかになる印象的なミューラルでした。

 

此花区梅香であと一つご案内したいのは、住吉商店街にある「此花 千鳥亭(ちどりてい)」。講談を中心に、落語や浪曲なども上演される演芸場で、希少な講談定席です。演者と観客との距離が近く、40人も入ると満員御礼になるアットホームな演芸場。怪談噺を聴いて涼んできました。日本の伝統芸能を気軽に楽しめるやさしい雰囲気が好きになりました。

 

大阪市此花区には「大阪・関西万博」も「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」もあり、「ストリートアート」も「講談の定席」もあって、なかなか「オモロイ街」ですが、できれば此花区夢洲に「カジノ」だけは作らないで欲しいと、心から願っています。

 

壁画アート

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