雨楽な家BLOGBLOG
門松と門かぶり松に見る、日本の暮らし文化
お正月の風景として親しまれている門松。
日本家屋の門や玄関先に立てられるこのしつらえには、日本人が
自然と共に暮らしてきた精神性が込められています。そして、その考え方は
「門かぶり松」と呼ばれる日本家屋の松の文化とも深くつながっています。

門松は、年神様を迎えるための依り代(よりしろ)として立てられます。
松は一年中緑を保ち、厳しい寒さにも耐えることから、生命力や繁栄、永続の象徴とされてきました。
門松は単なる正月飾りではなく、家の内と外を分ける「門」という場所を清め
神様と人の暮らしをつなぐ重要な役割を果たしています。
一方、門かぶり松は、日本家屋の門のそばに植えられる松で、日常の暮らしに寄り添う存在です。
人が門をくぐる際、自然と松の下を通るように設えられています。これは、外の世界から
内なる生活空間へ入る前に、心身を整え、穢れを払うという意味を持っていました。
年に一度、神様を迎えるために立てられる門松と、毎日家族の出入りを見守る門かぶり松。
この二つは、日本人が門という場所をいかに大切にしてきたかを物語っています。
日本の木造住宅は、木の呼吸や温もりを生かし、四季と共に暮らすことを前提に作られてきました。
松をくぐって家に入り、木の家で生活するという流れは、自然を排除するのではなく
暮らしの中に迎え入れるという日本文化そのものです。
門松と門かぶり松は、「自然と調和し、穏やかな暮らしを願う」という共通の思想に支えられています。
日本人が長い年月をかけて育んできた、“自然と共に生きる暮らしの姿”は
現代の家づくりを担うものとして大切にしたいと考えています。




