列柱の立ち並ぶ大空間
奈良の唐招提寺の金堂に立つ列柱です。唐招提寺は、苦難の末に来日した唐の鑑真によって8世紀後半、奈良時代に建てられた寺院です。
金堂の正面に直径2尺(約60㎝)の木の円柱が8本、立ち並んでいます。柱の中央部分にわずかな膨らみのある「エンタシス」の列柱です。
エンタシスは視覚的な安定感を生むための技法で、代表的な建物はギリシャのパルテノン神殿。紀元前400年代に建てられました。
日本建築とは異なり大理石の柱ですが、正面に8本の円柱が並んでいます。古代ギリシャの文化がシルクロードを経て、日本に届いたことがわかります。