杉材を活かした杜のスタジアム

新国立競技場

2020東京五輪・パラリンピックのメイン舞台、国立競技場が3年の工期を経て完成しました。

日本の伝統建築の「軒庇」が外周を取り囲み、会場内に自然の心地よい風を取り込みます。

軒庇の材料には46都道府県の杉が使われましたが、沖縄県には杉が自生しないため、
近い質感のリュウキュウマツが使われました。

しかも、スタジアムの北側には北海道や東北の木材、南側には九州や沖縄県の木材というように、各地の木材が方角に合わせて配置されています。

日本は南北に長く地域によって気候条件が違うため、育ちやすい木の種類が異なりますが、
その中でも杉は北海道から九州まで広く生産され、国産針葉樹の代表格となっています。

杉の生産量の第1位は宮崎県の163万立米で、第2位の秋田県の108万立米を大きく引き離しています。次いで、大分、熊本、岩手、青森、福島、鹿児島、宮城というように、東北地方と九州地方が上位にランクインしています。

「雨楽な家」でも梁、天井、壁などに国産の杉材がふんだんに使われ、やさしい杜の香りを放っています。

全国の杉材を活かした「杜のスタジアム」に世界の人々が集う東京五輪まで、あと6か月となりました。

杉,林