満月みたいな丸窓を楽しむ空間
丸窓の向こうに遠く緑の山並みが幾重にも望めます。こんな眺望が自宅の窓から見えたら、季節ごとに変化する山の彩りがまるで絵画のように楽しめますね。
丸窓は数寄屋など日本の伝統的な建築でよく使われてきました。この窓は正確には半円形。外に木の格子、内に障子があり、柔らかい光が入ってきます。障子の内側はどんな空間かというと‥‥
丸窓の内側はこのように趣のある和室。玄関土間から直接上がれます。満月が障子越しに室内を照らしているかのよう。右手の吊り押入の下に地窓があるので目線が抜けて開放的。
和室の窓は畳に座ったまま風景や通風を楽しめるよう低い位置に設けるのが理想。満月の障子を左右に開くと、緑の山並みがお茶を飲みながら展望できます。
和室の丸窓を紹介しましたが、丸窓は和の空間しか使えないということはありません。大型船の窓に見られるように、丸窓はさらにダイナミックで力強いイメージです。
丸窓は和でもなく洋でもなく、シンプルモダンな空間によく似合います。これは「雨楽な家」の2階フリースペースを印象づける丸窓。木の薫る自然空間にちょっと遊び心を加えています。
そういえば船舶や航空機、宇宙船などに丸い窓が使われているのはなぜ? それは大きな水圧、風圧、気圧などに耐えるためには、四角い窓より丸い窓のほうが頑強だから。
ただし、丸窓には開閉できるものとできないものがあります。採光、通風、換気、眺望、意匠など、その窓の目的に応じて使い分けましょう。