瓦屋根より高い鯉のぼり

♪ いらかの波と雲の波 重なる波の中空を
橘かおる朝風に 高く泳ぐや 鯉のぼり ♪

この歌は100年以上も前の大正時代につくられたとか。「いらか」の漢字は「甍」で、瓦のこと。風に乗って元気に泳ぐ鯉のぼりがリアルに目に浮かぶ良い歌ですね。

瓦屋根より高い鯉のぼりが泳いでいる姿は都会では滅多に見られない風景になってしまいました。

瓦屋根

瓦屋根と深い軒のある家

鯉のぼりの眼からみると、瓦屋根はこんなふうに見えるのでしょうか。

瓦は、耐久性、耐水性、耐火性、断熱性などをあわせ持つ優れた建築材料。適度に吸放湿性もあり、温暖多湿の日本の気候風土に最適の屋根材です。

中でも「いぶし瓦」は、光の角度により、灰色、黒、銀色、時には虹色に変化し、優美かつ素朴。日本の建築美の象徴です。

瓦屋根

瓦屋根

いぶし瓦は和のイメージがありますが、その高いデザイン性から、実際は和でも洋でもなく、シンプルモダンな木の家によく似合います。

洗練された数寄屋の味わいを活かし、鬼瓦を使わず、軽やかにお洒落に仕上げるのがポイントです。

瓦屋根と深い軒のある家で、鯉のぼりを立てて、季節の伝統文化を次世代へと伝えたいものですね。