大黒柱は一家の福の神

木の柱がすっくと立つ姿は、杜の樹木が天に向かって立つ姿と同様に、神々しいもの。木の柱も樹木も共に、その昔は神の降臨を仰ぐ「よりしろ」とされていたそうです。

柱といえば昔から、民家には「大黒柱」がありました。大黒柱とは、土間と座敷の境目の中央に立つ太い柱のこと。

そこから転じて、一家を支える働き手も大黒柱と呼ばれて、頼りにされますね。

大黒柱

大黒柱

大黒柱の名前の由来ですが、大黒柱の立つ位置は台所にも近く、一家の繁栄をつかさどる「大黒天」を祭ったためとか。

大黒天は大黒頭巾をかぶり、笑顔で小づちを持ち、大きな袋を肩にかついで米俵に乗り、古来より「福の神」とされた縁起の良いものです。

「雨楽な家」では土間と床上の境に桧の大黒柱を立てることが多々あります。

大黒柱は縁起物としてだけでなく、構造的にも意匠的にも、住まいの重要な「かなめ」。

七寸角の桧の大黒柱がずっしりと存在感を見せ、家族の平穏な暮らしを見守っているかのようです。

大黒柱