豊かな自然の色彩を住まいに
立春、雨水、啓蟄(けいちつ)、春分、穀雨というように、一年を二十四の節気に分けて表現する、といわれる日本人の自然に対する鋭い感性は、独得の豊かな色彩感覚をはぐくみました。
自然はさまざまな美しい色彩を見せてくれます。柿渋色、若竹色、檜皮色(ひわだいろ)、琥珀色、亜麻色‥‥日本の伝統色にはすべて自然からとった名前がつけられ、すべてが意味を持っています。
四季の移ろいを愛する心はこんなにも日本人の色彩感覚を豊かにしました。
和紙の色、浮世絵の色や柄、着物の色や柄。これらは欧州の絵画にも大きな影響を与えました。
華やかな色だけではありません。土の色、草の色、枯れた竹の色、古瓦の色、茅葺きの色、土壁の色、障子の白。日本人の身にしみついている色彩感覚は素晴らしいものがあると思います。
自然の色彩を和紙に託して
私たちは「雨楽な家」の建具に伝統色の和紙を貼りました。浮世絵カラーの外壁が街並みを明るく照らします。
このように豊かな色彩感覚を住まいに採り入れると、毎日の暮らしがもっと楽しく個性的になることでしょう。