『木と対話すること』

祖母の法要の帰路、高松市の桜製作所敷地内に建つ
ジョージ ナカシマ記念館を訪れました。
モダンな中にどことなく和の情趣を持つ木の家具
でおなじみ日系米国人デザイナーの名作の数々。
もとは建築家であった彼の家具は構造や強度をしっかり
考え抜いた上に成り立つ美しいデザインであること、
ビスを使わず組立てる日本人職人の仕事に感銘を受け
ここを唯一のパートナー工房に選んだことなど、
係の方がゆっくりと解説してくださいました。
家具を作る時、彼は木と対話しながら傷も含めて
その木の美しさを最大限に引き出すことを心がけたそうです。
米国の地で開花した日本人の美意識と職人技術の融合に
静かな感動を覚える心地良いミュージアムでした。

坂井

『ガレージのある「雨楽な家」』

先日、ガレージに特徴ある
2邸の「雨楽な家」の竣工写真が送られてきました。
建築地は香川県丸亀市と愛知県岡崎市。
丸亀市のA邸は1階の下屋根を大きく張り出し
3台分の駐車スペースは余裕で確保。
2世帯で暮らすにも十分な大きさです。
来客が多く、駐車スペースを確保するために
この土地を選ばれたようです。
 
岡崎市のB邸は敷地の高低差を十分考慮し
ご主人の大切な愛車を守るため
建物の内部に駐車スペースを設えています。
ちょうど玄関土間から見下ろす位置に
ガレージがあり、まるで家族の一員のように
暖かく出迎えてくれます。
 
「雨楽な家」はそこに住む家族が主役の家づくり
どんな作品が出来てくるのか今後も楽しみです。

高橋 真

 
   A邸                                                         B邸

『恩返し』

約40年前に建てられた実家のキッチンの壁と床の改装を
セルフビルドで行っています。
床は歩くと床板がフワフワし、
壁は長年の汚れで変色しはがれつつありました。
 
作業を進めていくにあたり、人手不足や道具、経験不足もあり
予定の半分しか進まなかったですが、
それでも楽しみながら作業ができました。
 
こういった大掛かりな作業は滅多にないことですが、
自分でできる範囲のメンテナンスは、
普段世話になっている家に対しての
せめてもの恩返しであると思います。

近藤

『築7年の艶』

先日、平成15年に建築して頂いた「雨楽な家」に伺いました。
驚いたのは光が反射するほど艶の出た桧の床。
どうやって手入れをしたのか奥様に聞いたところ
「普通に水拭きをしてるだけですよ」との事でした。
 
桧は油分が多いので使い込む程に艶が出ます。
気を付けて頂きたいことは、
濡れ雑巾ばかりで拭くと木材表面が毛羽立ってしまい
汚れが付きやすくなってしまいます。
 
艶を出すお手入れは、
乾拭き又は固く絞った雑巾で拭くのが良いそうです。

内藤

『丸太柱』

「雨楽な家」の柱は主に120角の桧の柱が使われています。
その他にも施主様の要望によって和室や要となる場所には
丸太柱が使われることもあります。
 
只の角柱とは違い、丸太柱は施工が大変ですが
それ以上に様々な表情を見せてくれます。
 
その中でも床柱にはたくさんの種類があり、
意匠的な役割だけでなく
その部屋のバランスを整える重要な役目もあります。
 
この部屋にはこの柱が似合うなどと
自分で探してみるのも楽しいかもしれません。

小竹


写真は「数寄屋の実践」 
建築思潮研究所編より引用

『奉納神楽』

先日、自宅近所の神社で秋祭りがあり
その前夜祭で、奉納神楽が舞われました。
 
演目は「塩祓い」「黒塚」「恵比寿」「大蛇」。
「恵比寿」では、えびす様が缶ビールを飲んで酔っ払う
アレンジや、飴・お菓子の「もちまき」があり、
大人も子どもも大歓声!
 
「大蛇」では、神社の小さなお堂で所狭しと
長い6匹の大蛇が舞い、本物の火花を散らし迫力満点!
拍手喝采の大賑わい。
 
神楽団や神楽保存会はたくさんありますが
若い世代が進学などを機にやめてしまうため
存続が難しい団体もあるとのこと。
 
私たち「人」も、きっと「神様」も
この素晴らしい伝統芸能がいつまでも
継承されることを、心から願っています。

向井

『ぞうさんペーパー』

広島市安佐南区にある「安佐動物園」へ行ってきました。
いつも安佐動物園に行くと、
会えるのを楽しみにしている動物がいます。
それが、「ゾウ」です。
大きな迫力ある身体とは正反対の、
つぶらでとっても優しい瞳をした「ゾウ」。
とても癒されます。何分でも見られます。

先日、こんなおもしろい
リサイクルペーパーに出会いました。
その名も「ぞうさんペーパー」。

「ぞうさんペーパー」とは、ゾウの糞をリサイクルした
100%手作りの紙のことだそうです。
作り方は和紙の作り方に似ているとのことで、
仕上がりはゾウが食べる草やココナッツなど
植物や季節によっても微妙に変化があるそうです。
紙質はとてもやわらかく、ちぎり絵や工作に適しているそうです。
とても可愛らしいリサイクルペーパーを生み出してくれた
自然に、動物に、感謝ですね。

日野


「michi corporation」オフィシャルサイトより

『Heavy Duty』

「雨楽な家」の竣工写真は浜松市の写真家、
上田明先生に撮っていただいています。
今回のリック住宅プラザの撮影は
高所作業車に乗っての危険な仕事だったそうです。
華やかなカメラマンの仕事にも実は
現場での苦労がたくさんあると伺いました。
そんな上田先生の足元はハードワークを物語るかのように
頑丈なRed Wingのワークブーツでした。
50年以上も変わらぬデザインで、アメリカの職人が
今も手作業で作っています。日本の愛好者も多く
手入れをしながら何十年も履き続けるそうです。
先生のこのブーツもソールを一度張り替えて
長年履いていらっしゃるそうです。

坂井


リックビル5F 無垢のリフォームモデルにて

『広告の役目』

京都の路地裏でコカコーラと
でんわでんぽうの看板を見つけました。

キリンレモンのさびた看板も
配線の陰にひっそりありました。

しもたやの庇の上には
ファンタオレンジの看板です。

いつからここで広告の役目を
受け持っているのでしょうか。

荻野

『継がれるもの』

家の近所にある神社で秋のお祭りがあり
そこで神楽が奉納されていました。
舞台の前にはシートが敷かれ
地域の方が熱心に見学されていました。
簡易につくられた舞台ですが、鮮やかな
衣裳を着て舞う姿と笛や太鼓の演奏には
迫力があり見いってしまいました。
 
神楽を演じている人も見ている人も
変わり続けますが、見守るようにある
大きな木や、どっしりとした社は変わらず
そこにあるように思いました。
昔からの日本の文化や技、精神が
それを受け継いでいけたら素晴らしいですね。

中村