わが家の片隅からときどき
「ピン」という音がします。
音の正体がわからず、虫の声かと
探ってみても気配はありません。
そしてまた「ピン」「ピン」。
「雨楽な家」では、無垢材に割れが入る音を
「木が笑う」と表現していますが、わが家では
「陶器が笑う」音でした。私の陶芸駄作に
“ひび”が入っているのです。
室温や湿度の変化によって陶土が膨張・収縮し
表面にかかったガラス質の釉薬にひびが入り
少しずつその表情を変化させています。
そのことに気付いてからは、この音を
聞くのが楽しみになりました。
向井