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2025.04.23

折紙と畳に通じる、日本の「たたむ」文化の魅力

折紙(おりがみ)は、子どもの遊びとして親しまれていますが、実はとても奥深い日本の伝統文化です。一枚の紙を折るだけで、美しい花や動物、立体的な形を生み出すその技術は、近年では数学や宇宙工学の分野でも注目されています。「折る」というシンプルな行為の中に、知恵と美しさが込められているのです。

 

実はこの「折る」という感覚、日本人の暮らしの中で昔から大切にされてきました。その代表が「畳(たたみ)」です。

折紙と畳

 

畳という言葉の語源は、「たたむ・重ねる」という意味。
今のように床一面に敷き詰めるスタイルが定着する前は、使うときに広げ、不要なときは
たたんで片づける敷物だったのです。つまり、畳ももともとは「たためる」生活道具でした。

 

畳は、芯になる「畳床(たたみどこ)」の上に、イグサを編んだ「畳表(たたみおもて)」を重ね
縁(へり)で仕上げる構造になっています。この重ね方や折り目の美しさが、整った空間を生み出し
和室の落ち着いた雰囲気をつくってくれるのです。

 

 

折紙と畳には、共通する美意識がいくつもあります。どちらも「折り目」「たたみ方」が大切で
寸法やバランスに細やかな気配りが必要です。また、折紙が折り方によって形を変えるように
畳も敷き方を工夫することで、空間の印象や使い方がガラリと変わります。
和室で使われる「祝儀敷き」や「不祝儀敷き」といった畳の並べ方には
場の意味を大切にする日本人らしい心配りが表れています。

 

折紙と畳
祝儀敷き

不祝儀敷き

 

そして何より、折紙も畳も、素材や手作業の温もりが感じられるところが魅力です。
どちらも自然素材を使い、人の手で丁寧に作られ、そこに込められた思いや工夫が
暮らしにやさしさと美しさをもたらしてくれます。

 

 

「折る」「たたむ」という行為を通して、美しさや意味を生み出してきた日本の文化。
折紙と畳は、その代表ともいえる存在です。改めて身の回りの“和”に目を向けてみると
日本人の知恵と心づかいの深さを感じることができるかもしれません。

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