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桧の柱と階段の面白空間

苔むした石段の両側に樹木が連なる幻想的な風景は紀伊半島の熊野古道です。2004年に熊野古道を含む「紀伊山地の霊場と参詣道」がユネスコの世界遺産に登録されました。

 

何百年もの昔から熊野古道には石畳や石段があったそうです。その理由は紀州が多雨地帯で、土の道では雨で土砂が流されるから。石がすきまなく敷き詰められているのは、道の強度を高めるためです。

 

石畳に使われた石は、ほぼすべて現地調達されたとか。多く使われているのは黒雲母花崗岩で、紀州の山地では普通に見られる石です。熊野古道はいくつもの峠を越える険しい道。その傾斜を少しでも緩くするため、石畳の道が作られました。ということで、今回のテーマは「桧の柱と階段の面白空間」です。

熊野古道

 

こちらの「雨楽な家」は、リビングと階段との境目に桧の列柱が立ち並んでいます。リビング側から見ると、すっくと立つ列柱の縦の線に階段の斜めの線が交わってアートですね。

階段を昇りながら列柱を横から見ると、まるで楽器のハープみたい。昇り降りするたびにメロディを奏でているような、歌いたくなるような、そんな楽しい気分になりそうです。

それとも見ようによっては、熊野古道の石段を登りながら、杉や桧の樹林を眺めているようにも見えますか。木の香りが匂い立ち、木もれ日の中で森林浴ができそうですね。

柱,階段

柱,階段

 

こちらの「雨楽な家」は広い玄関土間と上がり框の境目に太い桧の大黒柱がどっしりと立ち、その横にシンプルな階段が2階へと伸びています。

階段は通常、足を乗せる「踏板」と、垂直部分の「蹴込(けこみ)板」で構成されますが、この階段は蹴込板のないスケルトン階段。光や風が通り抜けて開放的ですね。階段を横から見ると、楽器の木琴を斜めにしたような形状。リズミカルで伸びやかな意匠を楽しめます。

階段の下には黒い玉砂利が敷き詰められています。家の中というよりも、大自然の風景の中に身を置いたような風情で、遊び心が感じられますね。

柱,階段

柱,階段

 

こちらの「雨楽な家」はリビングとキッチンダイニングとの間に階段を設けました。家族が2階に上がるのも降りてくるのもよくわかり、コミュニケーションがとれて安心ですね。

階段の横に桧の列柱が立ち並び、真ん中にテレビがあります。リビングでテレビを観ながら、列柱の美しさや香りも一緒に味わえますね。スケルトン階段なので自然光がいっぱい。階段の下には坪庭みたいに自然石のスペースがあり、まるで熊野古道の石畳のようですね。

柱,階段

柱,階段

 

桧の柱と階段の面白空間は自然光と風の通り道。季節は秋の紅葉シーズン。
森林浴をするように、家の中に自然の遊び場を設けて、家族みんなで楽しんでみませんか。

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